テストの対策と分析

はっきり言います。

学力の差は、一回一回のテストにどれほど真剣に取り組んだかの差の積み重ねであり、

勉強ができるできないの差は、一回一回のテストをどれほど真剣に分析したかの差です。

ここでは、テストを「勝負の場」と捉えて全力で臨む方法と、そのテストを効果的に「分析」してそれ以降の勉強につなげて行く方法について、

(1)「全力で取り組む意味」「目標を明確にする」

(2)「一点でも多く取る」「苦手科目をサボらない」「気持ちの切り替え」

(3)「“復習”よりも“分析”を」「分析の際のポイント」「まとめ」

の3テーマに分けて解説していきたいと思います。


 

全力で取り組む意味

一回一回のテストを真剣に取り組むか否かということは、長い目で見たときに、皆さんの学力に大きな差をもたらします。

学校の定期テストでは、皆さんがその学期に学習したことをどれだけ理解しているかを先生が把握するため、本当にバランスよく、大事なポイントを押さえて作られています。

定期テストで間違えた問題の内容そのものを復習して覚え直すことはそのまま大学入試の本番対策につながっていきますし、また、自分がどの分野に関する理解が浅かったのかを把握することができれば、そこを再強化することもできます。

さらには、そうした具体的な事項だけでなく、普段の自分の勉強態度を見直す良い機会にもなるでしょう。

模擬試験に関しても、本気で取り組んでできなかった問題からは気づかされることが多いですし、時間配分の戦略や自分のケアレスミスなどについて把握し、実践的な対策を考え直すよい機会になります。

ここで大事なのは、「全力で取り組む」ということです。全力で取り組んでそれでもできなかった部分からのみ、私たちは何らかのヒントや反省を得ることができます。

逆に少しでもそう言う意識が欠けると、「だって本気じゃなかった」という言い訳が可能となり、できなかった部分に関して頑張ったら本当はできたのか、頑張ってもできなかった真の欠点なのかが見えてきません。

こうしたことを考えると、定期試験であれ模試であれ、テスト一回一回を真剣勝負の場と捉えて全力で取り組むことがどれほど大事なことかが理解できるでしょう。

では、全力で取り組むとは、具体的にはどのようなことを意味するのでしょうか。


目標を明確にする

何か物事に全力で取り組むためにまず最も大事な条件は、事前にきちんと目標を明確にする、ということです。

目標があって初めて比較があり、喜びや反省があります。

定期試験や模擬試験を受ける際は、必ず、そのテストで自分が達成したい目標を紙に書き出してください

また、目標を「明確に」するというのはつまり、数値で表すということです。

各科目の目標点数や校内順位、偏差値でもいいので、必ず目標を数値で書き出し、テスト結果返却後はその数値との比較で、自分が目標を達成できたのかを見返してみましょう。

さらに、ライバルを設定するというのも、全力で取り組むためのモチベーション維持には大いに効果的です。

詳しくは「モチベーション維持」のコーナーで解説していますので、合わせて参考にしてください。

 

(2)一点でも多く取る

テストに全力で取り組む上で欠かせないのが、「1点でも多く取るためにできることを全てやる」という姿勢でしょう。

事前のテスト勉強で、「ここは個人的に嫌いだから覚えない、面倒臭いからやらない、出ないことを祈る」などと言っていませんか。

また、本番においても、大した作戦もなく「とりあえず」前からとき進めていったり、早く解き終わったのに見直しを面倒がってのんびりしていたりしませんか。

これらの行動は、テストに「全力で」取り組んでいるとは言えません。

サボった箇所が出題されたら、「たまたま運が悪かった」で済ませ、ミスにより失点したら「見直しさえしておけば大丈夫だった」などと言っているようでは永遠に進歩はないのです。

とにかく、一点でも多く取る、取れる可能性を生みだすためには、できることは全てする。

この心構えを徹底しましょう。


苦手科目をサボらない

苦手科目を、サボらないようにしましょう。

科目間のバランスをとり合計点を重視することも「勝負」には必要なことです。

普段から得意科目の方が勉強していて楽しいのは誰でも同じですし、科目により点数や偏差値に大きな差が出てしまう人もいると思います。

苦手科目のテストはどうせできないからテストが返ってきてからの復習を重視し、得意科目で出せる点数を伸ばそう、という考えは一見効率がいいようにも見えますが、これでは受験を勝ち抜く力がいつまでたってもつきません。

複数科目の合計点で勝負する受験、特に科目数が多いセンター試験や国立二次試験においては、1つや2つの科目で高得点が取れても他の科目で大量失点してしまうと合計で弾き出される数字はなかなか伸びてくれません。

だからこそ、苦手意識のある科目であっても「とれるところ」を増やし、それをテストで「とりきる」ことができる力が不可欠なのです。

そのためには勉強時間のバランスを再考する必要があるかもしれませんが、受験本番で勝つためにはどうしても、普段の定期テストから「合計点で勝負できる」ようになっておきたいところです。


気持ちの切り替え

模試では特にですが、「最終科目のテストが完全に終わるまでは今までの分の出来は考えない」ということも練習し、習慣化しましょう。

二日間に渡るセンター試験や国立二次試験では、科目間での気持ちの切り替えは案外重要なポイントになります。

テストが1科目終わるとどうしても答え合わせがしたくなり、そのまま自分の得点がだいたい何点ぐらいになるのかを予想してみたくなりますよね。

周りがそういう雰囲気であればなおさらです。

しかし、これは本当に、百害あって一利なしです。

ここでミスや間違いが発覚し、そのことが気になって後の科目を受けるコンディションに悪影響を及ぼした、という

気になってしまうのは仕方のないことですが、終わってしまった分のテストに関しては「自分は完璧だった」と固く思い込み、次に集中する訓練をしておくと良いでしょう。

 

(3)「復習」よりも「分析」を

さて、ここまでテストの対策についてお話ししてきましたが、一回一回のテストから自らの弱点を学び取り、自分にあった勉強法を確立していくためには、テストの「分析」こそ重要です。

とその前に、みなさんは「復習」と「分析」の違いを理解しているでしょうか?

「テストは受けっぱなしにしてはいけません。必ず復習するのですよ」
と言う先生はみなさんの学校にも多いでしょう。

これほど古典的な正論はないと言ってよく、本サークルも大いにテストの復習を推奨します。

しかし、ここでは単なる「復習」にとどまらないテストの「分析」について解説していきましょう。

まずテストの「復習」というのは、返却された答案をもとに抜けていた知識を覚え直し、解けなかった問題を解き直す作業のことを言います。

これに対し「分析」というのは、答案に見られる間違いの傾向から、普段の勉強のどこが失点につながっているのかを考える作業のことを言います。

例えば英単語”apple”の意味がテストでわからなかったとして、「apple=りんご」と覚え直す作業が「復習」であり、「単語の勉強量が足りなかったな」と考えるのが「分析」です。

復習がテストで間違えた事項だけに関するものであるのに対し、分析は今後の勉強の具体的な改善に関係してきます。

勉強ができる人というのは概してこのテストの分析が得意です。

彼らは一回のテストごとに自分の勉強スタイルを改善しているのです。


分析の際のポイント

それでは具体的にテストを分析するにあたり意識しなければいけないポイントはなんなのでしょうか。

まずは、テストに備えて自分がどのような事前勉強を行ったのか考えてみましょう。

・本格的なテスト勉強はテスト何日前に始めたか
・各教科の勉強時間はどれくらいだったか
・モチベーションはしっかり保てたか
・バランスよく勉強できていたか
・わからないところは質問に行くなどしてきちんと解決していたか
・テスト勉強を阻害するようなイベントはなかったか
・前回の反省を生かした勉強ができたか

などの観点から振り返ってみると良いでしょう。

また、模試の分析を行う場合は、ここで普段の勉強を振り返ってみましょう。

そして次に、返却された答案から読み取れることを書き出してみましょう。

この際、例えば数学の定期テストであれば計算問題、典型文章問題、応用文章問題というように、大問をジャンル分けしてできの悪い部分を把握したり、英語に関しても単語、文法、長文読解、リスニング、などパート分けした上で自分の弱点がどこにあるのかをしっかり把握して行きましょう。

さらに、そうした自己分析を元に事前対策勉強の悪かった点、考慮していなかった点、機能しなかった点などを考えて行きます。

最後にそれをもとに今後の勉強方針を書き出し、科目ごとにまとめまてみましょう。

ついでにここで次回のテストの目標をはっきり明記しておくとより良いでしょう。


まとめ

さて、ここまで3ページに分けてテストの対策と分析について解説してきましたが、ここでそのポイントを軽くおさらいしておきましょう。

整理すると、テストの対策においては、

・全力で取り組むことがテストを有意義なものにする条件

であり、そのためには

・目標を数値で事前に明確にしておくこと
・一点でも多く取るためにできることは全てやるのだという意識を持つこと
・苦手科目の勉強をサボらないこと
・気持ちの切り替えを意識的に練習すること

が大事だということになります。

また、テストの分析とは

1事前対策勉強を様々な観点から分析する
2テストの結果からできなかったジャンルを特定する
3事前対策の問題点や改善点を考える
4上記を踏まえた今後の勉強方針・次回の目標を明確にする

という四つのステップから成り立っていることがわかります。

みなさんも是非、一回一回のテストや模試を日頃の勉強スタイルを見直す機会と捉え、全力で取り組むことで、より良い勉強法を確立していってください。

 

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