2020年度センター試験廃止問題|新テストの変更点を東大生が解説!

皆さんこんにちは、東大BKKです!

センター試験廃止されちゃうけど、次のテストはどんなものなの?」「新テストについて色々教えて!

あなたも今、こんなことを考えていませんか?

この記事ではセンター試験廃止問題について解説していきます。

新テストと従来のテストとの変更点から、東大生が廃止について思うことなどをまとめたので、

これを読めば、2020年度のセンター廃止問題について丸わかりです!

記事は2~3分で読み終わります。この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

2020年、センター試験がなくなる?

文部科学省が平成32年度(平成33年度入学者選抜)からセンター試験を廃止し、新たに「大学入学共通テスト」を設けることを発表しました。

つまり、センター試験は2020年(2019年度)で終わります。2021年(2020年度)からの大学入試からは「大学入学共通テスト」が利用されるようになります。

この「大学入学共通テスト」では

  1. 従来のセンター試験のマークシート方式をやめる
  2. 記述式の問題の採用
  3. 英語4技能に民間の資格・検定試験の結果を用いる

ことが発表されています。

従来のセンター試験の対策については「【保存版】センター試験で9割とる勉強法を東大生が徹底解説!対策はいつから?」という記事を確認してください。

【保存版】センター試験で9割とる勉強法を東大生が徹底解説!対策はいつから?

新テスト(大学入学共通テスト)に変わる理由は?

センター試験を廃止する理由を文部科学省は公式HPでこのように説明しています。

目的:
共通テストは、大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成 の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とす る。このため、各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分有しているかの評価も行 いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行うものとする。

出典:文部科学省「大学入学共通テスト実施方針策定に当たっての考え方

さらに以下の「高大接続改革」についても言及しています。

グローバル化の進展や人工知能技術をはじめとする技術革新などに伴い、社会構造も急速に、かつ大きく変革しており、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要です。

 このためには、『学力の3要素』(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と 協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、「高等学校教育」と、「大学教育」、そして両者を接続する「大学入学者選抜」を一体的に改革し、それぞれの在り方を転換していく必要があります。

出典:文部科学省「高大接続改革

これらを要約すると、以下↓。

  • グローバル化・テクノロジーの発展によって従来の社会の在り方が変わってきている。
  • そのため、新たな時代に対応した人材を育てる必要があり、『学力の3要素』を育成・評価することが重要。
  • よって高校と大学を接続する入試制度自体も改革・変更していく必要がある。

なので、従来のセンター試験が廃止され、新テストが導入される理由を簡潔にまとめると、【新しい社会に対応する人材を育成する】ためになります。

従来のセンター入試制度との変更点は?

冒頭でも触れましたが、従来の入試制度との変更点をまとめると以下の3点になります。

  1. マークシート式の見直し
  2. 記述式問題の導入
  3. 英語4技能を民間の試験・検定を用いて評価する

マークシート式の見直し

文部科学省は以下のコメントをしています。

○ 思考力・判断力・表現力を一層重視した作問への見直し
次期学習指導要領の方向性を踏まえ、各教科・科目の特質に応じ、より思考力・判断 力・表現力を重視した作問となるよう見直しを図る。

出典:文部科学省「大学入学共通テスト実施方針策定に当たっての考え方

マークシート式では思考力や判断力を測定することが難しいという従来の懸念を解決するためですね。

たしかにマークシート式の問題は時間がなければ、とりあえず適当に穴埋めするということが簡単にできるので思考力を適切に測れているかは疑問です。

記述式問題の導入

文部科学省のコメント↓。

○ 「国語」、「数学Ⅰ」、「数学Ⅰ・数学A」については、8.で見直しを行うマークシート式問題に加え、記述式問題を出題する。

出典:文部科学省「大学入学共通テスト実施方針策定に当たっての考え方

今回、記述式問題が導入されるのは

  • 国語
  • 数学I
  • 数学I・数学A

の3科目です。

国語については、古文・漢文は記述式問題はなく、現代文のみ記述式問題を採用することとなっています。

なので、全科目、マークシート式が撤廃されるわけではありません。

英語4技能を民間の試験・検定を用いて評価

高等学校学習指導要領における英語教育の抜本改革を踏まえ、大学入学者選抜にお いても、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するため、共通テ ストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着し ている資格・検定試験を活用する。

出典:文部科学省「大学入学共通テスト実施方針策定に当たっての考え方

英語は民間試験・検定を用いることになりました。

採用された民間試験・検定一覧

資格・検定試験名資格・検定試験の実施主体名
ケンブリッジ英語検定
C2 Proficiency
Cambridge Assessment English
(ケンブリッジ大学英語検定機構)
C1 Advanced
B2 First for Schools
B2 First
B1 Preliminary for Schools
B1 Preliminary
A2 Key for Schools
A2 Key
TOEFL iBT®テスト
Educational Testing Service
TOEIC® Listening & Reading TestおよびTOEIC® Speaking & Writing Tests
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
GTEC
Advanced
株式会社ベネッセコーポレーション
Basic
Core
CBT
Test of English for Academic Purposes(TEAP)
公益財団法人日本英語検定協会
Test of English for Academic Purposes Computer Based Test(TEAP CBT)
実用英語検定(英検)
1級
(対象:「公開会場実施」)
準1級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」)
2級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
準2級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
3級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
International English Language Testing System(IELTS)
(対象:「アカデミック・モジュール」)
ブリティッシュ・カウンシル

TOEIC、英検、TOEFL、GTECあたりが学生の皆さんが受験する主な試験になるのでは、と思います。

新テストを受験する2020年度以降の受験生は新テストに備え、今から勉強計画を立てて対策しましょう。その際は「【東大生作】22の勉強計画テンプレート!成績のあがる学習計画表が作れる!」を使いましょう!

【東大生作】22の勉強計画テンプレート!成績のあがる学習計画表が作れる!

センター試験廃止で浪人生はどうなる?

センター試験廃止が決定して、一番まずいのは

2019年度のセンター試験に失敗して浪人が決まった受験生

です。

この受験生は、浪人になってセンター試験が廃止されるので新テストに特化した勉強を1から始める必要があります。

現在文部科学省側も浪人生に対しての配慮を特別実施するような声明は発表していません

これは、2020年度センター試験を受ける人たちにとって大きなプレッシャーになるのではと推測されます。

浪人生は「受かる浪人生の1日の勉強時間を一浪東大生が解説!実例つきスケジュールも!」でも説明しているように、ただでさえたくさんの時間勉強しなければ現役生に勝てないのに、新テストの勉強を新たに始めるのはとても大変です。

センター試験から新テストへの変更点 まとめQ&A

Q従来のセンター試験が廃止される理由は?

A新しい社会に適応する人材を育成するため

Qセンター試験との違いは?

A1: 国語・数学で一部記述式の問題が採用される
 2:英語4技能の評価に民間資格・検定が導入される

Q英語はマークシート式がなくなって、民間の資格だけになるの?

Aいいえ。なくなりません。2023年度までは既存の英語試験による評価、民間資格による評価の2つの評価方法を採用します。どちらの評価方法を採用するかは各大学の判断になります。

Q試験時間の変更は?

A国語・数学ともに10~20分程度伸びる予定です。

Qいづれは全科目、記述式になるの?

Aはい。すぐではありませんが、新テスト開始後数年後には、全科目記述式への変更が予定されています。

Q記述式問題の採点は?

A記述式問題の採点は民間に任せます。

Q二次試験の変更点は?

A各大学が実施する二次試験が、一括で変更することはありません。ただ動向には注意が必要です。

Q2020年度の浪人生への特別な対応は?

A現在のところ発表されていません。

センター試験廃止・新テスト導入への反対・批判が多い?

「新しい社会に対応する人材を育成する」という目的で導入される新テストですが、反対意見が多いのが現状です。一見すると時代の流れを読んだ適切な改革のように思えるのになぜ、多くの批判を受けているのでしょうか?

主な反対意見について1つ1つ見ていきましょう。

記述式の採点の公平性があやしい

まずは「記述式問題の採点」についての批判が多いです。

そもそも、記述式問題の採点は難しいものです。たしかに採点基準があり、それに則ってなるべく採点官ごとに基準のばらつきがないように採点されますが、完全に公平に採点するのは不可能です。

そして、共通テストはおよそ50万人もの受験生が挑むと推測されている上、テスト実施日から二次試験までの非常に短い期間で採点しなければならないため、より一層公平性が失われる恐れがあるのです。筆者は採点の仕事をした経験がありますが、およそ50万人の答案を公平に採点することは難しいように感じます。

また、従来同様マーク式問題については大学入試センターが採点するようですが、記述式問題の採点を民間企業に委託すると発表されています。さらに、文科省は共通テストの採点を大学生のアルバイトも採用する方針であると報じられています。これでは採点の公平性への信頼は揺らいでしまいます。

そして、これまでセンター試験同様、答案の具体的な間違った点が開示されるようなことはないので、採点ミスがあったとしても表に出ることはないのです。

思考力は各大学の二次試験で測れる

記述式問題で思考力を測るという、文部科学省の考えですが、それは各大学の二次試験ではダメなのでしょうか。

例えば、東大は二次試験は記述式の問題ばかりです。

世界史では600文字の論述、日本史は全ての問題が論述、数学も全てが途中経過式も必要、国語も論述ばかり。

と論述のオンパレードです。

十分すぎるほど、思考力、判断力、表現力を問われます。

現行のセンター試験においては、「基礎力を確認するためのセンター試験」と「思考力、判断力、表現力を確認するための二次試験」という住み分けがきっちりとなされていました。

わざわざ一次試験の段階で、思考力を測る試みをすることに意味はあるのか疑問です。

正確に自己採点ができない

現行のセンター試験同様、国立大学の出願日までに共通テストの採点結果は出ないため、国立大学受験生は自己採点をしなければなりません。国立大学受験生は共通テストを受けたら自己採点をし、その結果にもとづいて受験校を決定する必要があります。

しかし、共通テストでは記述式問題があるため、マーク式問題と違い、正確な自己採点ができないのです。自己採点が実際の採点とずれてしまうがために、レベルが高すぎる/低すぎる受験校を選んでしまう恐れがあります。また、何点取れたかわからない不安な気持ちで二次試験に挑まなければなりません。

問題の質が低い

共通テストの記述式問題では、採点の公平性を保つために、答えが一義的に決まるような問題を出題するという本末転倒な手法が取られています。解答の方向性をある程度定めて、別解が出にくい問題を出題しているのです。

しかし、自由度の低い問題で本当に思考力が測れるのでしょうか?思考の自由を制限された状態で思考力を確認するというカオスな試験となってしまっています。

高校関係者が反対している

みなさんの教育に最も関わってきた存在であろう高校のなんと90%以上が共通テストに反対しています。

例えば、卒業生の半数以上が東大に入学する筑波大学附属駒場高校は共通テストでは既存の能力の一部を「新しい能力」として大げさに取り上げているに過ぎず、むしろ共通テストは質の低下が目立つと痛烈に批判しています。

大学は新制度を採用するのか

英語においては、大学側は既存の試験か民間の資格・検定のどちらでも評価にすることが許されています。

それに対して、東大は民間のものは採用しないということを発しています。

今回のセンター試験廃止・新テスト開始については大学も含め、教育関係者の多くから反対の声が上がっている状況です。

東大生がセンター試験廃止に思うところ

個人的な意見ですが、センター試験を受けた身としてはなくなるのは少し寂しいですね。

とりあえずはマーク式も残るようですが、あの、

「マークミスしたらどうしよう。。」

という気持ちも懐かしいです。

センター試験がなくなる寂しさは置いといて、東大生筆者はセンター試験廃止に反対です。

筑波大学駒場高校の「新しい能力」は既存の能力の一部を大げさに取り上げただけだという説明は言い当て妙です。思考力・判断力・表現力は果たして今までの時代には必要でなく、新たな時代になって必要とされた能力なのでしょうか?

すでに二次試験において大学側が思考力・判断力・表現力を問う素晴らしい問題を出題してきたのに、思考力・判断力・表現力を「新しい能力」として大げさに讃えた共通テストが邪魔をしているようにしか思えません。

とはいえ、2020年度以降の受験生は共通テストに対応するしかありません。不満はあると思いますが、圧倒的な実力をつけておけば何も怖いものはありません。共通テストに惑わされずに志望校合格を勝ち取りましょう!

まとめ

いかがでしたか。

今回はセンター試験の廃止について解説してきました。

結論ですが、

センター試験廃止後も数年は従来のセンター試験制度と変化は大差ない

です。猛反対に押されて、大胆な変化はできなかった形です。

浪人生もあまり過度にプレッシャーになることはありません!変わらず、自分の勉強を頑張っていきましょう!

 

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